改正後の食品衛生法が令和3年6月に施行され、飲食店営業許可申請についても大きく変わりました。
以前は【喫茶店営業】という許可があったのですが、こちらが廃止され【飲食店営業】に一本化。代わりに、飲食店営業の中に【簡易な営業】という法律上のカテゴリーができました。
【簡易な営業】に該当する場合は、飲食店営業をする際の設備基準が緩和されます。※こちらの記事もご参照ください。
簡易な営業とは、「そのままの状態で飲食に供することができる食品を食器に盛る、惣菜の半製品を加熱する等の簡易な調理のみをする営業をいい、喫茶店営業を含む」とされています。
当事務所ではバーやスナックなど、【簡易な営業】に該当する店舗様のサポートを多く手掛けております。
今回は【簡易な営業】にて許可申請した際の記録をまとめてみたいと思います。
飲食店営業と簡易な営業の違い【設備基準】
【通常の飲食店営業許可】と【簡易な営業】の設備基準の大きな違いは2つあります。
①調理場内の床・壁の材質
飲食店営業の許可基準では、調理場内の床や壁の材質は「不浸透性材料」である必要があります。具体的にいうと、調理場の床について、絨毯張りなどは認められず、タイル張りやコンクリート材質など水洗いできる材質でないと許可がおりません。
一方、【簡易な営業】の場合は、「食品衛生上支障がないと認められる場合は、不浸透性材料以外の材料を使用することができる」とされています。
衛生面が清潔に保てれば、必ずしもタイル張りやコンクリート材質である必要はなくなりました。
こちらの基準については、「調理場全体が絨毯張りであっても営業許可が認められた」場合もあれば、「シンク回りは不浸透性材質でないと許可が認められなかった」場合もありました。自治体によって判断基準が様々です。
②調理場と客席間の区画扉
飲食店営業の許可基準では、調理場と客室の区画が明確に分かれたいる必要があり、区画扉(スイングドア)の設置が必須となります。
一方、【簡易な営業】の場合は、「食品を取り扱う区域にあっては、従業者以外の者が容易に立ち入ることができない構造である場合は、区画されていることを要しないこととすることができる」とされています。
こちらの基準については、「立入禁止の立札があればよい」とする自治体もあれば「ロープやチェーンなどで通れないようにすること」と指示をされる場合もありました。
以上が簡易な営業にて申請した際に緩和される設備基準になります。
簡易な営業にて許可を取った場合は、基本的に調理はできません。「昼間にランチ営業をしたい」となった場合は、許可の取り直しとなる可能性もありますので、ご注意ください。
なお、簡易な営業については、申請時に「本格的な調理は行わないため、簡易な営業にて申請する」と窓口にてはっきりと伝える必要があります。
※許可申請書には簡易な営業として申請する旨を記入する欄があったりなかったりします(各自治体によって申請書が違います)。ご注意ください。
法改正により【簡易な営業】にて許可が取れるようになったため、居抜き物件にて開業する際など店舗側にとっては便利になりました。
しかしながら、自治体によって、さらに言うと担当の検査官によって、許可を出す判断基準が変わってきます。店舗オープンの際は、スケジュールに余裕を持って事前に保健所へ相談に行きましょう。
余談になりますが、2022年5月にとある自治体(名称は伏せさせていただきます)へ【簡易な営業】にて許可申請をした際のに以下のような事がありました。
バー営業を予定していた飲食店の調理場入口にスイングドアが設置されていなかったため、【簡易な営業】にて申請をする事になりました(一日も早い営業開始を希望されていました)。
申請した際に窓口の担当者より言われた事は「これまでこちらの自治体で【簡易な営業】にて許可を出した事は無い。従業者以外の者が容易に立ち入ることができない構造に関する明確な基準が無いため、スイングドアを付けて通常の飲食店営業にて申請してください。」との事でした。
その場で責任者を呼んでいただき、一緒に条例を読みつつ協議をした結果、簡易な営業での申請が受理されました。結果としてその自治体で【簡易な営業】許可一号店となりました(調理場と客室の境にはロープを張り、立入禁止の立札をしました)。
条例の内容まで把握していない一般の方であれば、窓口でダメと言われれば諦めてしまう事例かと思います。
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